ええまちづくりのネタ

インタビュー
スタートアップの実務・事業計画といったビジネス的なアドバイスから、心を掴む人の巻き込み方まで相談できる「先輩団体からのアドバイス」

大阪ええまちプロジェクトは、(1)プロボノと一緒に課題解決を進める地域団体のチャレンジと、(2)地域活動の経験が豊富な先輩に相談できる先輩団体からのアドバイスの2本立てです。
今回は引き続き、「先輩団体からのアドバイス」の相談先である4団体のうち、NPO法人 ニッポン・アクティブライフ・クラブ (ナルク)の副代表・寺井正治さん、NPO 法人 寝屋川あいの会理事長の三和清明さんにお話を伺いました。

NPO法人 ニッポン・アクティブライフ・クラブは、全国に119ヵ所の活動拠点を立ち上げ、住民同士が助け合い、元気に暮らせる社会を推進してこられました。
NPO 法人 寝屋川あいの会は、2001年から元気な高齢者による助け合いの有償ボランティア活動を続けてこられ、2016年には年間5000件強の支援を行っています。
2団体とも長年に渡り高齢者等への支援事業を通してコミュニティづくりを牽引してきた大阪の地域団体の重鎮です。

左:寺井さん 右:三和さん

Q:大阪ええまちプロジェクトの「先輩団体からのアドバイス」は、経験豊富な団体からアドバイスをもらえるという相談支援です。例えばどんなことを相談できるのでしょうか。

A:「寝屋川あいの会からは活動をはじめたい時、団体を立ち上げたい時の実務や団体の活動を安定・継続させたい時の経営的なアドバイスを」

三和さん:
高齢者支援の地域活動といっても、活動を安定して続けるにはやはり社会起業と同じで経営的な観点も必要です。
僕は活動を始めたい、団体をつくりたいというスタートアップの時期の実務的なアドバイスや、事業展開、事業戦略、活動の継続には何が必要か、などの経営的なアドバイスができると思います。

立ち上げの時は、「どんな事業の形があり得るのか」ということから、人集め、場所選定などの実務的なアドバイスをすることになると思います。
でも、立ち上げをする人はたくさんいるけれど、本当に難しいのは1代限りにしないで継続した活動にすること。立ち上げ後、いかに団体の活動として安定・継続させるかというのは経営的な視点も必要になってくるんです。
立ち上げと継続のアドバイスはちょっと中身が違ってきますね。

三和清明さん
NPO 法人 寝屋川あいの会理事長で第1層生活支援コーディネーター。2001 年に「元気な高齢者による助け合いの謝礼ボランティア活動」を始める。2017 年 4 月には寝屋川市で要支援1・2&事業対象者への「住民主体の生活支援サービス事業」をスタートさせる。

A:「ニッポン・アクティブライフ・クラブは全国119拠点の立ち上げ経験から、社会貢献の思いを形にしていくこと、地域から信頼される団体になるためのアドバイスを」

寺井さん
私たちのような非営利団体の場合は「互助」の目的で大きくなってきたので、「人に貢献したい」という気持ちを呼び起こすこと、助け合いや人との触れ合いは、人のためではなく、自分の喜びにつながることに気付いてもらうことが大切だと思っています。
私たちは全国で100を超える活動拠点を立ち上げてきて、いろんなケースがありましたが様々な相談を受けてきたメンバーがおりますので、それをもとに人の巻き込み方についてもアドバイスできればと思っています。

また、三和さんのおっしゃるように、活動を「継続」することはとても大切です。現時点でゴミ出しや安否確認などの支援をやっていても、これから本格的に生活支援をしていくということになると、家の中にも入ったり、「生活」に入っていったりするわけですから、「時間が来たらおしまい」みたいなサービスでは、「ありがとう」の気持ちは伝わりません。
心遣いができる団体を作り上げないといけないと思います。
「あそこに頼みたい」という信頼を勝ち得るためにも長続きする団体にしないと地域に受け入れられません。そういった「心遣い、ボランティアの気持ちを持った団体」のつくり方についてもお話しできたらと思っています。

寺井正治さん
NPO法人 ニッポン・アクティブライフ・クラブ (ナルク)の副代表。ナルクは過去23年間の活動の中で全国に当団体の活動拠点を119箇所(2017年5月時点)立ち上げてくるなど、住民同士が助け合い、元気に暮らせる社会の展開を繰り広げている。

Q:ボランティアは男性の参加率が低いと聞きますが、リタイアした男性が活動へ参加してもらえるようなきっかけづくりはどうすれば良いのでしょうか?

三和さん:
これまでの経験上、子育てや介護や障がい者などの福祉の世界において、非営利団体の立ち上げは中高年の女性が多いんです。
でも、非営利であっても事業を継続してやるには、経営基盤がしっかりしていないといけません。経営基盤をどう持つかという事業戦略は、企業で働いてきたような、男性の力があるといいですね。

寺井さん:
そう、強い思いのあるリーダーシップのある方が先頭に立つことが必要です。旗を振る人、スケジュールを決める人を中心にすることが大事です。確かに女性は突進力をお持ちの方が多い傾向にありますね。
そして突き進むうちに出てくる諸々の問題を解決する人、これは企業経験のある人、すなわち男性が多いですが、そういう人達がさまざまな分野で一体化して前進して行ける組織が作れるといいですね。

三和さん:
でも、男性ってもう、企業で働き疲れてるから(笑)
第二の人生までそんなに責任持ちたくないわ、という人が多いのも事実です。(苦笑)

そういう男性を巻き込むには、デスクワークをしてきた人には「団体の経理をしなくてはならないけど、できる人いないかな…」とか、「助成金をもらいたいんだけど、企画書や申請書、どうやって書けばいいのか、相談に乗ってくれる?」と働きかける。
力仕事や技術で働いてきた人には、「電気関係の作業をしてほしい」「力仕事の手が欲しい」と、これまで男性がやってきた仕事に近い仕事、得意なことで「あなたの力が必要」ということを具体的にアピールするといいんじゃないでしょうか。

Q:ボランティアに関心のあるアクティブシニアに集まってもらうにはまず、どうすれば良いのでしょうか?

三和さん:
まずは活動に関わっている女性たちの旦那さんやね(笑)
団塊の世代が70代になって、会社に来なくていいわと言われる頃や。そういう人達で地域活動に興味のある人は社会福祉協議会とか、地域のNPO団体、地域の市民活動センターなどの、各地の情報発信機関に行ってるかもしれないから、まずはそこに当たってみることやね。

寺井さん:
やはり人と人とのかかわりの中で関係性が生まれてくるものだから口コミも大事。活動している人が、そのほかの人を連れてくるような感じ。

三和さん:
そうね、SNSだけでは集まってこないと思う。人と人のつながりやからね。
子育ての団体はSNSも有効だと思うけど、高齢者の団体は人の紹介、つき合いから始まっていくと思うよ。

寺井さん:
高齢者の人づき合いも、昔よりも「趣味」の集まりが増えて、ボランティアという選択肢は減ってきていますから、いわば「投網を投げる」ような、高齢者の集まる場所はあまりないと思いますね。様々な人とのつながりや、会合でお会いするときに、「この人お世話好きだな」「人のことをよく見守っているな」などと、目星をつけて、一対一でお話していくような感じになると思います。

そのほか、「地域団体の立ち上げ」そして「事業の継続」に大切なこと、様々なアドバイスが受けられます。ぜひ先輩団体に相談をしてみてください。

先輩団体への相談はこちらから

ナルク&寝屋川あいの会のインタビューその2を読む

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