• いくつになっても住みやすい「ええまち」づくりを応援するプロジェクト

見て知ろう となりのええまち

住民と専門機関と事業者、地域の関係者をつないで「おたがいさま」のまちづくり

2023年2月4日

和泉市

地域の現状と課題

自然と都会が共存するまちの困りごと解決と移動支援に取り組む

和泉市は歴史的な遺跡や緑豊かな地域がある魅力のあるまちです。大阪府の泉北地域にあり、平野と山岳部の変化に富んだ地形で、南にいけば山があり自然が豊かなだけでなく「ららぽーと」や「コストコ」などの商業施設など若者も集まる施設も人気です。駅に近い場所には住宅街があり、泉北高速鉄道を使えば大阪市内まで乗り換えなしでいける利便性もあります。総面積84.98㎢で大阪府34自治体の中で6番目の大きさです。

人口18万4千人のうち、約4分の1の人々が65歳以上の高齢者です。この10年で総人口は約2,000人減少する一方で、高齢者人口は約20,000人増えており、少子高齢化の波はどんどん進んでいます。

特に課題になっているのは今後、高齢化に伴って増加する高齢者のちょっとした困りごとを解決していける土台づくりです。また、移動支援の拡充について、信太中学校区で立ち上がった移動支援組織「チョイサポしのだ」をモデルに和泉市内でどのように展開していくのかも課題のひとつです。

 

地域づくりを通じて目指す姿

これからの時代にあった「おたがいさま」のまちづくりを目指す

超高齢社会を迎える準備として、平成12年に介護保険が始まり、社会状況や家族の在り方や考え方の変化、女性の社会進出も当たり前の時代となっていく中で、これまでは当たり前のようにあった、「おたがいさま」「おすそわけ」といった地域のご近所同士の関係も変化してきました。

これまで団塊の世代(昭和22年~24年生まれの方)が75歳以上となる2025年を目標に、高齢者の方が年を重ねても地域で変らず暮らせるためのまちづくりを目指して取り組んできましたが、今後は、2040年を目標に取り組んでいくことになります。

2040年の社会をイメージすると、医療・介護のサービス需要ももちろんですが、介護を受けることは必要なくても、暮らしのちょっとした困りごとを抱える高齢者もこれまでにない規模で増加してくることになると考えられます。これからはちょっとした困りごとは地域でお互いに助け合って解決していく「互助」がいっそう重要になってくるため、地域の中で社会資源を把握し、ネットワークを構築していくことや、1人1人の住民だけでなく、地域の事業所(コンビニやスーパーなどのお店や郵便局、農協、デイサービス、介護支援事業所など)にも地域のつながりや見守りの体制を作るプレーヤーとして関わっていただくことも目指して取り組んでいます。

 

地域づくりを支えるコーディネーターたち

4つの圏域それぞれで多様な機関・専門職と連携

和泉市では高齢者の総合相談窓口である地域包括支援センターに平成27年度から第2層生活支援コーディネーターを配置しています。市内4カ所にある地域包括支援センターは それぞれ担当圏域が決まっています。

 

各地域包括支援センターには、社会福祉士、主任介護支援専門員、保健師または経験のある看護師と生活支援コーディネーターが配置され、各専門職の特色を活かしながら市役所やさまざまな機関と繋がりながら地域のみなさまの支援を行っています。

生活支援コーディネーターによる重点的な取組

 生活支援コーディネーターは、今後の地域の目指す姿に向けて、以下の3つの取組を行っています。

[1]おたがいさまサポーター事業の推進

和泉市独自の事業で、65歳以上の一人暮らしや、夫婦のみの世帯の方の、ちょっとした困りごとを地域のボランティアさんがお手伝いしてくれる、住民主体のボランティア事業です。

見守りを兼ねたゴミ出しや、3000円までの買い物代行、花壇・家庭菜園のお手入れ、お出かけ応援としてお散歩や通院など1時間程度の外出時の付き添い、図書館の本の貸し出しの代行等を行なっています。「おたがいさまサポーター」になれる方は和泉市在住、在学、在勤の18歳以上の方で、年齢制限は設けていません。登録には事前に1時間程度の研修を受けていただくことになっています。サポーターさんが利用者さんを定期的に訪問することで安否確認だけでなく地域とのつながりを意識した取組になっています。

生活支援コーディネーターは、利用者さんと住民ボランティアであるサポーターさんとをつなぐ役割を担っています。

 

[2]高齢者見守り協力事業所ネットワーク事業の推進

核家族世帯の増加を背景に地域のつながりが薄れ、地域から孤立する高齢者が増えてきています。この時代にあった新しい形での見守り等の体制構築が必要であると考え、地域の事業所を中心に「さりげない見守り」「さりげない声かけ」を通して高齢者の異変を早期に発見し、早期に対応できる見守りネットワークを構築しています。

主に地域で活動している事業所の協力をいただき、日常業務の中で気になる高齢者を見かけたときは市役所や地域包括支援センターへご連絡いただくことで適切な支援につないでいきます。現在市内約170の事業所がネットワークに登録してくださっています。

 

[3]地域資源・地域ニーズの把握ならびに資源開発

地域の困りごとや不足しているサービス、例えば家の近くにスーパーがない、集いの場がないため閉じこもりがちになっている、近所に気になる人がいるがどうしたらいいか…といった地域からの声を聞き、その課題解決に向けて地域の皆様と一緒に話し合ったり、時には専門機関へとつないでいます。そのためにも地域に出向いて困りごとを聞き取ったり感じたり、地域の人口や高齢化率、災害リスクなど色々なデータを収集しながら地域を分析しています。また、暮らしやすいまちづくりを目指して、いくつになっても地域のみなさまが地域の担い手として活動できるように支援していくのも私たち生活支援コーディネーターの役割の一つです。

行政による支援施策

 和泉市では、地域づくりを推進するため、以下の施策を導入しています。

[1]おたがいさまサポーター事業(ボランティアポイントを特産品と交換)

ボランティアとしてサポート活動に参加して頂けるとポイントが付き、貯まったポイントで市内の特産品と交換できます。地域の皆さまで地域の方々を支えるまちづくりのため、サポーターとしてのご参加をお待ちしています。

おたがいさまサポーター事業について

 

[2]住民主体型サービス補助金(訪問サービスD)

和泉市移動支援サービス事業補助金交付要綱に申請し、決定された団体には、要支援者等への移送前後の付き添い支援に対して補助金を交付します。

利用条件等の詳細は、市役所高齢介護室高齢支援担当までご相談ください。

高齢者の移動支援について

 

[3]移動支援の運転講習

関西STS連絡会に講師を依頼し、ボランティアによる送迎支援について、テキストを利用しての座学と実際に車両を使っての高齢者の乗り降り等に関する実技講習を実施しています。

 

DATA

総人口 183,723人
高齢者人口 47,219人
高齢化率 25.7%
要介護認定率 19%
通いの場の状況 644か所(令和3年度実施分 介護予防に資する住民主体の通いの場の展開状況 報告)
生活支援の状況 おたがいさまサポーター事業(住民ボランティアよる訪問サービスを実施)
移動支援の状況 訪問型サービスD(地域住民・団体等による、地域の高齢者に対する移動支援・生活支援等を市全域に推進することを目的に、移動支援活動を行う団体に対して、活動経費を補助)

要介護認定率(令和3年度、65歳以上の要支援・要介護認定率)

参考情報

地域活動を立ち上げる際の重要なポイントがわかる-『チョイサポしのだ』のケースから:大阪ええまちアカデミー2022<入門編>第1回サマリー

多様な活動に取り組む団体の先進事例を一挙に公開!大交流会「テーマ別トーク」サマリー

 

地域づくりの輪を広げるために

和泉市おたがいさまでわがまちづくり

様々な経験や特技を活かしてボランティアに参加したい方と、これから活動を始めてみたい団体さん、また自分たちの活動に行き詰まりを感じている団体さんの「ちょっと困ったなあ」をつなぐプラットフォーム「GRANT」を活用しています。

和泉市おたがいさまでわがまちづくり | GRANT

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担当部署名:高齢介護室高齢支援担当
電話:0725-99-8132
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