ええまちづくりのええ話

大阪府内の地域団体の活動事例や、行政職員や生活支援コーディネーターの研修の発表も広く掲載。
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ウェブサイトリニューアルで多世代のボランティア仲間が17名も増えた/配食に取り組む団体へのプロボノ支援事例

2022年1月27日

吹田市で配食や見守りに取り組む「NPO法人 友-友(ゆう-ゆう)」。2020年6月から2020年12月の約半年間、プロボノチームとともに、新しいウェブサイトの制作プロジェクトを進めました。

今回のインタビューでは、ウェブサイト公開後、約1年が経過した「その後の成果」をプロジェクトに参加したプロボノチームから友-友の代表 川口さんにお聞きしました。

(インタビュー実施日:2021年11月28日)

お話をしてくださったのは、友-友 代表 川口 雅香子(かわぐち あかね)さん(写真左上)

※「友-友」の活動紹介・プロボノプロジェクトに取り組んだ背景とその様子はこちらからご確認ください。

 

ウェブサイトを通じて若い世代のボランティアさんが増えました

以前は若い方から問い合わせが来ることはほとんどありませんでした。

例えば「お食事 ボランティア」と検索をしても見つけてもらえませんでしたが、今はそういった検索からウェブサイトにたどりついてくれる方が出てきています。それだけでなく、プロボノチームの皆さんからのアドバイスでActivo(アクティボ:ボランティア求人掲載サイト)にもボランティア募集を掲載しているのですが、そこからも毎月のように問い合わせをいただいています。応募される際にウェブサイトを見てくださっている方からは「とてもわかりやすい!」という声をいただいています。

プロボノのプロジェクトを終えて新しいウェブサイトになってから17名も新たにボランティアさんが増えました(プロジェクト開始前、2020年3月25日時点のボランティア数は38名)。これまでにこんなペースで増えることはなかったから本当に驚いています。

新しく関わり始めた方は、平日にお仕事をされている30代の方や高校生など。それぞれ参加できる曜日や時間にボランティアに来てくれています。高校生のお母さんも一緒に来てくれていてボランティアさんたちの年齢層が一気に若くなっています。

新しく加わったボランティアさんたち(友ー友通信 2021年8月の紹介より)

 

以前は、若い方は仕事が忙しいはずだしボランティアに来てくれることはないだろう…と思い込んでいたのですが、その認識が変わりました(笑)とても嬉しいことが起きています。

新しいボランティアさんが増えてくると、ボランティアさん同士の会話も幅が広がってきています。ときには芸能人の話などは世代間で通じないこともあったりしますけれど、和気あいあいとした雰囲気でベテランの方たちも若いボランティアさんと話すのを楽しみに活動してくれています。この多世代の関わりは本当に大事にしていきたいと思っています。

 

新たなつながりが継続し、運営がより前向きになりました

ケアマネジャー(以下、「ケアマネ」)さんに向けてウェブサイトリニューアルをご案内してから、問い合わせもありましたし、ケアマネさんから勧められて利用の申し込みをされる方もいました。そういった面でもウェブサイトは活用できています。

利用者さん自身からウェブサイトを見ていると聞いたことはないのですが、家族が見ているという声をいただいたこともあります。

新型コロナウイルス感染症関連の補助金申請をするときにもウェブサイトのURLも記載しているので、審査する人もきちんと見てくれていると思います。

ウェブサイトの更新も自分たちでしっかりやっているところです。

活動を伝えるために、これまでにあった新聞形式の「友-友通信」を続けていくことも大変だったのですが、今回のプロボノプロジェクトのご縁で、プロジェクトが終わった後もプロボノチームのメンバーだった関さんが作成を手伝ってくれていて、毎月継続して発行することができています。利用者さんは楽しみにしてくれていると声をかけてくれます。毎週の献立は事務の担当者がマニュアルを見ながら掲載を頑張ってくれています。

 

高齢者に限らず地域のニーズにも応える形にチャレンジしたい

今後は吹田市の制度を利用する高齢者の方々だけでなく、仕事や家庭で忙しい子育て中の世代や世代を問わずひとり暮らしの方々にも、もっと届けていける形にしたいと思っているところです。

今はボランティアさんも増え、お弁当づくりのスピードが速くなっていますし、その分新しいことができる時間も生まれていると思います。状況によって余裕があれば臨機応援に利用者さんの要望に応えることもできると思いますし、新しい取組も考えているところです。

 

例えば、私たちの法人では、平日は高齢者向けデイサービスを運営しているのですが、土日はスペースが空いているので、子ども食堂を運営するなど新しいこともやってみたいとは考えています。ただし今は新型コロナ感染症の状況もあるので、もう少し落ち着いてから動きたいと思っています。

また、高齢者以外の利用者として、障がい者のグループホームや、以前に利用していた高齢者のご家族などもいらっしゃいます。その他にも自治会での集まりに配達することもありました。

最近の状況下では、人が多く集まるところにお弁当の提供はできにくくなっていますが、今後はそういった地域とのつながりを持ちながらお弁当を食べてもらえる機会をつくれるよう働きかけもしていきたいとも考えています。

 

インタビュー後記(プロボノチーム感想)

これほど明確に、ウェブサイトがきっかけでボランティアが増えたことに驚いています。

プロジェクトが始まったばかりのころ、ウェブサイトをリニューアルすることと同じくらいボランティアを増やしたいという要望をいただきました。ウェブサイトをきちんと制作したことが、結果的に団体として希望していたウェブサイトのリニューアルとボランティアの増加の2点に貢献出来たのでとても嬉しく思っています。

プロボノの取り組みが団体に良い影響を与えることが出来たことを実感している一方で新たな課題も発生していることから、また別の形でプロボノでの支援を活用いただき、地域にとって不可欠な団体としてより一層発展されることを応援しています。

※プロボノチームの1人、あやちゃん(活動中にチームで呼び合っていたニックネーム)がプロジェクト終了後にnoteに投稿されたご自身の体験記事もあわせてご紹介します。

「プロボノ」に参加して、考え方がちょっと変わった(note記事)

 

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