見て知ろう となりのええまち

もとの生活を取り戻す! 短期集中リハで機能改善と地域活動の参加促進

2021年12月15日

寝屋川市

地域の現状と課題

後期高齢者の人口増。介護予防と生活に密着した支援が必要。
寝屋川市は、市の中心部を京阪電車が横断しており、大阪市内や京都への利便性が高いことから、高度経済成長期にベッドタウンとして発展した都市です。当時、転入された方々が後期高齢者になり、今後ますます、介護予防と生活に密着した支援を要する方が増加していくと考えられます。

校区福祉委員会をはじめとしたボランティア活動は活発で、自治会加入率は8割を超えています。 訪問による有償活動(ボランティア)は、介護保険制度開始当初から、NPO法人寝屋川あいの会等に市から委託して、利用者(要介護認定を受けていない人)が200円を払って利用をするしくみをつくり、総合事業開始まで実施していました。その形が今の訪問Bの取組につながっていきました。有償活動(ボランティア)で生活支援を行うことが寝屋川市では根付いているといえます。

地域づくりを通じて目指す姿

介護保険サービスから自立し、地域社会とつながり元の生活を取り戻す!
寝屋川市では、通所型サービスC(総合事業の短期集中予防サービス。以下「通所C」。)と生活支援体制整備事業を両輪で回すことで、高齢者が活動的な生活を継続し、「元の生活を取り戻す」ことができるような地域づくりを推進しています。大切にしているのは、利用者の「セルフマネジメント」。利用者が自分自身に興味をもち、自立的な生活の可能性に気づくことにより、生活(機能)や社会参加に対し、不安よりも自信を大きくしてもらうような支援を心掛けています。3割以上※1の方が生活機能を改善し、結果として介護保険サービスを卒業して、活動量の多い生活や社会参加につながっています。

 

地域づくりを支えるコーディネーターたち

通所C利用者の全案件に関わり、“おせっかい”に情報提供
寝屋川市では生活支援コーディネーターを「地域支え合い推進員」と呼んでいます。地域支え合い推進員は、第1層が社会福祉協議会(以下、「社協」と表記)に2人、NPOに1人、第2層が社協に3人の体制です。要支援認定を受け、生活機能が改善した高齢者に対し、”おせっかい”に、地域資源の情報を提供していきます。

 

生活支援コーディネーターによる重点的な取組

地域支え合い推進員(生活支援コーディネーター)は、以下の3つの取組に力を入れています。

[1] 通所C利用後の地域活動サポート

令和3年度は、地域支え合い推進員が通所C利用者の全案件(約300件)に関わる方針にしています。事業所指定をしている9事業所での通所C利用後、地域社会で参加の機会を増やしてもらうことで長期的な介護予防につながると考えています。そのため、地域支え合い推進員が通所C利用中の高齢者に会い、事業所職員やケアマネジャー等と情報を共有し、自立支援につながる取組に関して検討しています。

通所C利用後、地域活動等につながった事例を3つ紹介します。
1つ目は、就労につながった例です。脊椎損傷の60代男性は、通所C利用後、元郵便局員だった経歴を活かして、幼稚園バス運転手として就労できました。

2つ目は、地域資源とつながった例です。地域支え合い推進員が、通所C利用中の70代女性に関わる中でニーズをつかむことができ、ケアマネジャーと連携して情報を提供することで、民間の音楽教室に通うことになりました。

3つ目は、民間事業者の協力を得られた例です。60代男性は、毎月ヘルパーが同行しコンビニで出金していましたが、店員がATM操作を手伝ってくれることとなり、通所C利用後の機能改善もあって、ヘルパーが不要となりました。

[2] 元気アップ体操などの通いの場、自主活動の立ち上げサポート

寝屋川市では、市独自の「元気アップ体操」を地域で広める市民サポーターを養成するため、年2回講座を開催しています。平成19年以降、市の理学療法士がこの講座を修了したサポーターと連携し、地域の自治会長等と調整して地域の拠点立ち上げをしていましたが、今後は、地域支え合い推進員が関わり、地域の活動拠点をさらに充実させていく予定です。元気アップ体操サポーター養成講座は、毎年10人~20人が修了し、令和2年度末で登録者は145人、市内に78か所の拠点があります。

[3] 個別の取組から把握できたニーズ、資源の整理

生活支援体制整備事業として、個別課題の解決に向けた取組をコーディネートしていくことが、仕組み化していくうえで重要だと考えています。協議体を兼ねた地域ケア会議で市全域や日常生活圏域の課題を共有するほか、個別事例の解決のためのプロジェクトチームをつくり、担当を決め、課題ごとに解決に向けて動くことを協議体のイメージとしています。

 

行政による支援施策

寝屋川市では、地域づくりを推進するため、以下の施策を導入しています。

[1] 通いの場介護予防活動補助金(一般介護予防事業)

住民主体の通いの場1か所につき、上限5万円/年を補助しています。
令和2年度は、40団体に補助金を交付しました。

[2] 介護予防・生活支援サービス事業補助金(訪問B)

有償活動員による支援サービスを実施している団体1か所につき、年間60万~204万円(活動規模実績に応じて変動)を補助しています。

[3] 通いの場専門職派遣

住民主体の通いの場に対し、リハビリテーション専門職等の派遣によって、継続運営を支援しています。

[4] 地域資源情報管理システム

通いの場、サークル活動等、エリアごとの地域資源情報の管理システムを導入しています。現在は、関係機関が情報共有するために活用しています。

 

DATA

総人口 229,654人
高齢者人口 68,940人
高齢化率 30.0%
要介護認定率 19.2%
通いの場の状況 335か所(R1実施分 介護予防に資する住民主体の通いの場の展開状況 報告)
生活支援の状況 訪問型サービスB 4団体(NPO法人・医療生協等)
移動支援の状況 交通部局において、対象地区内の目的地(自宅、バス停留所、スーパー、病院等)まで無料で送迎する「乗合い事業」実施(対象者:70歳以上の高齢者、妊婦、障がい者等)

 

参考情報

通所Cから生活支援体制整備の取組の開始に向けて(大阪ええまちプロジェクト「ええまちづくりのええ話」)

 

地域づくりの輪を広げるために

ねやまるの会

地域の担い手と団体をつなぐプラットフォームです。講師やスキルを持ったボランティアとつなぎ、団体の課題を解決しています。

ねやまるの会 - GRANT

 

市民に身近な店舗スペース 見守り・運転ボランティア等を募集中!

お店での認知症の方の見守りや、商業施設の場所を借りたイベント実施等をしています。今後も、様々な企業と協力しながら地域づくりに取り組んでいきたいと思っています。
運転ボランティア(75歳以下、要研修受講)、訪問による生活支援ボランティア(訪問B活動員)、通常業務の中で高齢者の異変に気づいたときに情報を連携させてもらう事業者、住民参加の通いの場として、事務所や駐車場の一部スペースを貸して下さる事業者等を募集しています。

ボランティア募集(運転・事務)
寝屋川市社会福祉協議会ホームページ

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介護予防・生活支援サービスの担い手募集
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連絡先
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寝屋川市福祉部高齢介護室地域担当
電話:072-838-0372
メール:kaigo@city.neyagawa.osaka.jp

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