見て知ろう となりのええまち

意欲ある住民が参加する協議体を軸に、テーマを設定して課題解決に取り組む

2025年12月18日

太子町

地域の現状と課題

太子町は、人口1.3万人弱(世帯数=約5,600世帯)、高齢化率は約30.7%(令和5年時点)、大阪府の南東部の南河内地域に位置する総面積14.17k㎡の町です。金剛・生駒紀泉国定公園を境に奈良県に接しており、万葉集にも詠まれた「二上山」や「聖徳太子御廟」など、豊かな自然と歴史遺産をもっています。

コロナ禍の影響から、コミュニティへの参加率が減少傾向にありますが、65歳から69歳の健康づくり活動に参加意欲のある人の存在は確認しており、地域とのつながり強化が検討課題となっています。
また、近隣には徒歩ででかけられる商業施設や普段の買い物ができるスーパー等も少なく、車中心の生活が当たり前となっている状態です。住民アンケートの結果からも、特に足腰の健康状態の低下によって、移動・外出、買い物等の日常生活へ影響がある回答が増加傾向にありました。高齢者の移動手段の確保のため、移動支援の担い手が不足している点の解決が求められていると考えています。

地域づくりを通じて目指す姿

太子町では、だれもが住み慣れたまちで自分らしく暮らせる地域づくりのため、平成29年4月に第一層協議体「SASAE愛 太子(ささえあい たいし)」を設立しました。協議体は、意欲のある住民(20代から80代まで多様な世代)と第1層生活支援コーディネーター(SC)、行政担当、社会福祉協議会(社協)、地域包括支援センター等によって構成されており、住民は出入りが自由なのが特徴です。
優先的に取り組んでいく生活課題として「移動・外出」、「集いの場づくり」、「買い物支援」、「町会・自治会の活性化」という4つのテーマが設定されています。

令和6年に「大阪ええまち調査隊」への参加を通じて、SASAE愛太子が立ち上がってからの7年間で、太子町の暮らしやすさに関する変化の分析から、特に「移動・外出」について成果が現れていることから、協議体メンバーのこれまでの取り組みへの自信と、これからの意欲につながっています。また、地域住民の多様な声を拾った参加の選択肢づくり(例えば、協議体に参加したお寺の住職さんと相談して、お寺で写経&コーヒーを楽しむ会をするなど)を模索したり、今後も、住民との対話を通じて多様な活動につなげていきたいと考えています。

地域づくりを支えるコーディネーターたち

太子町では、地域における生活支援体制整備事業の中心的な役割を担う協議体(SASAE愛太子)と、SCを配置しています。

第1層SCは社協の職員が担い、第3層SCとして高齢者交流サロンの代表が担っています。この体制も話し合いを通じて決まっています。第2層SCについては、太子町の特性(面積、立地、人口規模)、また、既存の地域に関わる役割等を見渡して設置しないという結論になりました。第3層SCについては令和7年時点で、11人が配置され、高齢者交流サロンでの活動に取り組む中で、地域住民のニーズを把握しています。

第1層SCは、既存の問題解決を主とするコミュニティソーシャルワーカーとは異なり「目的達成型」の役割を担い、住民が主体となった地域づくりを推進します。誰もが関われるように、住民・行政・社協の3者が一体となれるよう橋渡し役(コーディネート機能)を果たします。SCは、属する組織の枠組みを超えた視点や、公平中立な視点を有することが求められます。

生活支援コーディネーターによる重点的な取組

協議体設置に注力し、行政や地域づくりそれぞれの方向性を調整しながら下記のような取り組みを行っています。

[1] 協議体設置に向けた話し合い(平成28年度)

平成28年度に37町会を対象に開催された「地域づくりからの支え合い勉強会」では、延べ700名の住民が参加しました。

勉強会では、人口統計から10年後の太子町の将来を「知り」、助け合いの擬似体験ゲームを通じて「考え」、意欲ある人材を「見つける」ことを目的として実施しました。勉強会の報告会を通じて、有志で集まる研究会を立ち上げてワークショップを行いました。そこで優先的に取り組んでいく生活課題が設定され、協議体「SASAE 愛 太子」の立ち上げにつながりました。

協議体には、例えば自治会長や民生委員の会長といった役割などは関係なく、関わりたいと思う意欲のある住民のどなたでも参加していただくことを大事にしています。

[2] 高齢者交流サロンの立ち上げと展開

平成28年10月に、総合福祉センターで高齢者が店員にもお客さんにもなれるカフェを開発しました。いまは住民主体で運営しています。役割を持ってもらうことで参加者が「キラキラ輝く」ことを目指して広げていきました。現在は町内11か所で開催されています。

[3] 円卓会議の展開とサービス開発

協議体から生まれた住民有志で話し合いを進める円卓会議では、「移動手段」の解決に向け「訪問サービスD立ち上げ」「公用車貸し出し」につながりました。また、若い世代に担い手として関わってもらえるよう情報発信のため「SNS活用」をテーマに大阪ええまちプロジェクトに参加し、プロボノのみなさんの関わりによって協議体のFacebookページを立ち上げました。

行政による支援施策

太子町は、地域包括ケアシステムの深化・推進のため、総合事業の実施や、住民活動への支援策を実施しています。

• 重層的支援体制の整備:令和4年度から、複合化・複雑化したニーズを包括的に受け止める総合的な相談支援に取り組んでいます。

• 介護予防・生活支援サービスの提供:訪問型サービスB(住民主体)、訪問型サービスD(移動支援)、訪問型・通所型サービスC(短期集中予防)といった多様なサービスを実施し、内容の充実を図っています。また、要支援のときに利用されていた訪問B・訪問D事業については、地域のつながりを継続させる観点から、要介護状態になった後も本人が希望すれば継続利用を可能としています。

• 移動支援:住民主体の生活支援サービスを実施している団体に対し、貸し出し公用車を2台購入し、貸し出し事業を行っています。また、移動支援を行う地域住民向けに、国土交通省認定の「運転協力者講習」を開催しています。

• 見守り・生活困窮者支援:「安心太子見守りネットワーク事業」により、地域住民や民生委員、関係機関等と連携した緩やかな見守り体制を構築しています(令和7年11月時点では取組を見直し中)

• 配食サービス: 一人暮らしの高齢者などで食料品の調達が困難な方を対象に、安否確認を兼ねた配食サービスを社協に委託して実施しています。

• 認知症対策:「太子町認知症高齢者等SOSネットワーク事業」を実施しており、広域での見守り体制を構築しています。

DATA (令和6年度末時点)

総人口 12,636人
高齢者人口 3,975人
高齢化率 31.5%
要介護認定率 18.3%
通いの場の状況 11か所
生活支援の状況 訪問型サービスB
移動支援の状況 訪問型サービスD(3カ所)
・生活支援サービス(買い物、ごみ出し、乗車前後の介助)と併せて提供しており乗降前後の付添いに対して、補助金が交付される。

参考情報

行政マンは前に出ない、手を出さない。 それでも住民が自発的に動ける仕掛けとは?(大阪ええまちプロジェクト「ええまちづくりのええ話」)
住民や行政と一緒に力を合わせて 目指すべき太子町の未来像を、見える化したい。(大阪ええまちプロジェクト「ええまちづくりのええ話」)
生活支援体制整備事業の実践について/2025年度 生活支援体制整備事業に係る研修(基礎研修)(大阪ええまちプロジェクト「ええまちづくりのええ話」)

 

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連絡先
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太子町健康福祉部福祉介護課
電話:0721-98-5519
メール:fukusi@town.taishi.osaka.jp

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