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ええまちづくりのええ話

大阪府内の地域団体の活動事例や、行政職員や生活支援コーディネーターの研修の発表も広く掲載。
団体の活動の参考にしたり、市町村の仕組みづくりに役立つ記事がたくさんです。

現役世代が地域活動を立ち上げるために必要なこととは?/2022年度「大阪ええまちアカデミー報告会」レポート

2023年4月24日

「大阪ええまちアカデミー」は、地域活動プロジェクトの立ち上げや運営などについて、実践を交えながら現役世代の仲間とともに学ぶ講座です。
2023年2月16日に「大阪ええまちアカデミー」がきっかけで生まれた4つの取組の報告会が行われました。

地域のさまざまなところに足を運び、耳を傾け、自分たちのプランを形にしていった4つの取組からの実践報告と、「大阪ええまちアカデミー」の入門編からご一緒いただいているナビゲーターの株式会社エンパブリック 広石拓司さん、アドバイザーの特定非営利活動法人SEIN(サイン) 宝楽陸寛さんからのポイント解説のエッセンスをまとめてお届けします。

INDEX

報告1:転勤族も地域とつながりやすくしたい/吹田市・永井(ながい)さん

報告2:社会から距離のある人にもつながりを/大阪狭山市・久山(くやま)さん

アドバイス:小さく始めて、既存の地域コミュニティとつながろう(広石さん・宝楽さん)

報告3:住民の高齢化、一人暮らしの増加による孤立を防ぎたい/大阪市鶴見区・米田(よねだ)さん

報告4:シニアと学生をつなぐ助け合いの仕掛けをつくりたい/ 茨木市・三嶌(みしま)さん

アドバイス:“パーソンtoパーソン”でつながるとの重要性(広石さん・宝楽さん)

 

ナビゲーター:広石拓司(ひろいし たくじ)さん
株式会社エンパブリック 代表取締役
「思いのある誰もが動き出せ、新しい仕事を生み出せる社会」を目指し、ソーシャル・プロジェクト・プロデューサーとして、地域・企業・行政など多様な主体の協働による社会課題解決型事業の企画・立ち上げ・担い手育成・実行支援に多数携わる

 

アドバイザー:宝楽陸寛(ほうらく みちひろ)さん
特定非営利活動法人SEIN(サイン)/コミュニティLAB所長
プロジェクト型ファシリテーターとして大阪府南部(主に泉北ニュータウンなど)においてNPOや市民と企業・行政が協働で地域課題を解決し、人やまちが元気になるコミュニティづくりを進めている。

 

報告1:転勤族も地域とつながりやすくしたい
『地域が実家』地域の人・場所・物をフル活用!/吹田市・永井(ながい)さん

転勤族として転々として来た永井さんは、地域に公的・民間のさまざまな施設やサービスはあるものの、それらの情報収集や人とのつながりについて難しさを感じていました。
そこで、転勤族の多い地元の吹田市に帰ってきて、地域の情報を一か所にまとめ、そこで気軽に頼り・頼られる関係をつくれる実家のような場所があれば…と感じたのが、大阪ええまちアカデミーの実践リーダーに手を挙げた理由です。

イベント「つながるマルシェ」の開催や、Instagramでの発信を始める

永井さんとプロジェクトメンバーたちは、週1回30分ずつ相談し、まずは何かやってみようとイベント「つながるマルシェ」を計画しました。つながりをつくる第一歩として、永井さんたちの存在を知ってもらおうとInstagramのアカウントを開設し、自己紹介などを投稿するほか、気になる吹田市内などの近隣エリアの地域団体を探してはフォロー、DM(ダイレクトメッセージ)で「こんなことしたいのですが…」などと連絡していったそうです。
永井さんたちが見つけた地域団体や学生団体のほか、吹田市立市民公益活動センター(ラコルタ)の紹介でつながった地域団体・個人にもヒアリングを実施していきました。

永井さん:「地域で活動を始める際に、何も肩書きがないと“お前誰やねん”ってなりそうなものですが、 大阪ええまちアカデミーの活動で…と自己紹介できたのでよかったです」

 

また、近隣エリアのマルシェやイベントにこまめに出向き、イベント主催者の方々に話を聞いて回った結果、5団体を集めて「ボランティアマルシェ」を開催することができたそうです。

 

一歩踏み出した気付き「つながりたい人たちはたくさんいる!」

顔見知りや知り合いではない一般参加者へのアプローチは難しかったものの、いろんな地域活動団体に声をかけてみたところ、そういった地域活動をしている方々は永井さんたちよりずっと年上で、もともと「若い人とつながりたい」と考えておられたこともあり、歓迎ムードの中でたくさんお話しをしてくれたと言います。

そうして進めたヒアリングの結果、地域で活動している方々にも、互いに「つながりたい」というニーズがあることが判明し、今後はプロジェクトチームだけでつながりを作り出そうとするのではなく、やりたいと思っている方々とともに作り上げるスタイルを採用することになりました。

永井さん:「一歩だけでしたが、踏み出してみると同じ思いや協力してくれるメンバー、応援してくださる地域の方々もたくさんいて、視野も行動も広がりました。これからも、Instagramの運用や月1回の交流会としての“つながりマルシェ”、半年に1回の“ボランティアマルシェ”は継続して、LINEオープンチャットの任意参加者での交流もしながら、イベント企画を進めていきたいです。皆さんがご縁をつないでくださり、改めて小さな一歩や人のつながりのパワーを感じられました。」

永井さんの発表資料はこちらからご確認ください。

2023年1月に実施した ボランティアマルシェ(メンバー・参加者さんと)

 

報告2:社会から距離のある人にもつながりを。
誰でも気軽に立ち寄れる居場所づくり/大阪狭山市・久山(くやま)さん

他市から大阪狭山市に転居してきた子どもたちへの絵本読み聞かせなどを行う絵本講師の久山さん。ご自身の家族の障がいや特性をきっかけに福祉や幼児教育などに関わってきました。久山さんはそのなかで「いつまでも住み続けたいと思えるまちのために、今の私に何ができるだろうか」と考えたとき、高齢者や不登校・ひきこもり・ヤングケアラーなど、社会から少し足が遠のいている人たちが絵本を通してコミュニケーションできる地域づくりができないかと考えたそうです。
「ここに行ったら誰かが話聞いてくれるよ」という“昔の田舎”のような場所を作りたいと、一歩を踏み出しました。

SNSから始めるも停滞。転機は、地域の市民大学や市議会主催の意見交換会への参加

プロジェクトを開始してすぐは、同じような考えや視点で活動されている方や団体とSNSでつながり、Zoomを使って情報交換ができないかと試みた久山さんでしたが、初対面の人とはオンラインだけではなかなかうまく関係が築けませんでした。
途中で行き詰まってしまい、「もうできない」とあきらめ始めたころ、地域のまちづくり大学や、市議会主催のまちづくり意見交換会の告知が目に入り、参加してみたそうです。

久山さん:「自分の住むまちのことを学び、参加していた人たちに思いの丈を伝えたんです。“実は僕もそう思っていた”と言ってくれる議員さんとの出会いや、役所の人とのつながりを持つことができました。」

 

商店街空き店舗でイベント
「絵本で心豊かに えがおでつながる みんなの居場所」開催

久山さんが市のイベントに参加したことをきっかけに声をかけられ、2月には商店街にある空き店舗を使ってイベントを開催することができました。

 

久山さんがやりたかった絵本の読みきかせ以外にも、実践メンバーそれぞれの得意を活かしてドローンプログラミングや木工クラフトといったプログラムを行いました。当日は子どもたちがうれしそうに集中して取り組む様子に寄り添うことができたそうです。

参加者からも「家族で参加してよかった」「ぜひまた参加したい、企画してほしい」などの感想が寄せられ、3月には市の「ニュータウンで空き店舗を活用したい人集まれ!」というイベントで、久山さんが話題提供者として招かれることにもなりました。

久山さん:「プロジェクトとして初のイベント開催にワクワクドキドキ。開催してみて、人が人を誘ってきてくれる、素敵なつながりのあるまちだったと気づきました。他の方々とも一緒に“住みやすいまち”“いつまでも住みつづけたいまちづくり”について意見交換しながら取り組んでいきたいです。」

 

久山さんの発表資料はこちらからご確認ください。

 

アドバイス:小さく始めて、すでにある地域コミュニティとつながろう

前半2つの発表について、この短期間で小さく始めて関係性を作り、ここまで実践できたことへの賛辞とともに、ナビゲーターとアドバイザーのお二人からはいくつかのポイントを紹介いただきました。

地域では、大きなことをしようとしなくていい、等身大で小さく始めることが大切

広石さん:地域で何かやる、となると「大きなことしなきゃ」とか、「地域全体を動かさなきゃ」などと思ってしまいがちなんですけど、暮らしの中の活動なのだから、自分の暮らしがあって、自分のできること・できないことがあって、そのうえで活動があるという前提が大切ですね。

宝楽さん:確かに。地域の活動を始めるときに、自分自身の100点満点を目指さない。他と比べない。さらに「採算性」とか言い出したら…心が折れてしまいます。今回は、まず話を聞くために、「地域のイベントに行く」という等身大のことから始めたのはとても良かったですね。

 

コミュニティはゼロから作るのではない、すでに小さなコミュニティのつながりはあるはず

広石さん:まちに居場所やつながりがないと一般によく言われますが、それぞれのまちにはつながりも活動団体もそれなりにはあるはずです。つながりを持っている同士が新たにつながることで、そこにプラスアルファの何かが生まれるんだと思います。

宝楽さん:「すでに地域に活動団体があるなら、自分はやらなくていいのかな」と思ってしまうかもしれませんが、小さなコミュニティを地域のみんながそれぞれ持っていることが健全だと思います。SNSなどで関わる人たちの想いやエピソードをもっと発信して、それぞれの顔が見えるようにしていくとよりよいと思います。

 

抽象的な呼び方ではなく名前と顔のわかる関係で知の共有を

広石さん:活動を始める前は、「大学生」、「シニア」などと呼んでいたのが、プロジェクトを通して「議員さん」が「〇〇さん」になるなど、顔が見えてきます。それらの“見えてきた顔”をもっと分かち合っていただくことが大切ですね。小さく始める大切さはそこにあるのです。大きく始めようとすると関係が “マス” になり広く大きくなってしまいますから、大規模にやると名簿は作ることができても誰が来たか覚えていられません。

宝楽さん:コロナ禍になる前はネットワークの大きさも求められていたかと思うのですが、5団体くらいで集まってしっかり話す時間を持つのはとても貴重だと思います。Googleで検索しても出て来ない、“超ローカルな知の共有”を通して、常に新しいことややり方にかかわっていくのが、団体としての持続可能性を高めていくと思います。

 

報告3:住民の高齢化、一人暮らしの増加による孤立を防ぎたい
つるみご近所さん/大阪市鶴見区・米田(よねだ)さん

米田さんの住むエリアは高齢化が進んでいて、2025年には後期高齢者が37%を超えると言われています。区役所や地域包括支援センター、図書館などの施設も地下鉄一駅分くらい離れており、足腰が弱っている方は歩いて行くことができません。看護師でもある米田さんは、住民の高齢化や一人暮らしの増加で、地域のつながりが希薄になり、孤立してしまう傾向にあるのでは?と心配していたそうです。

それぞれが自分で歩いて行ける場所に「高齢者が孤立しないで地域の人と交流する」「生活上の困りごとを解決できる」「いきがいや楽しみにつながる通いの場をつくる」の3つができないかやってみたい!と手を挙げました。

最初の一歩:近隣コミュニティに学び、自分たちのやりたいことを固めていく

「大阪ええまちアカデミー」で実践リーダーたちが初めてプレゼンしたオンラインイベント「実践テーマ共有会」での米田さんの発表がきっかけで、大阪市鶴見区社会福祉協議会(以下、鶴見区社協)の生活支援コーディネーターから連絡があり、その方の紹介で近隣の地域コミュニティに紹介してもらうことに成功したそうです。

実際に活動中の現場を見学させてもらい、活動目的・活動の実態・経費捻出方法などをヒアリングして回り、米田さんたちが真似できそうなことがあるかを検討しながら行動指針を固めていきました。
そんな折、30年間「そのうちお茶しようね」と挨拶するだけになっていた同世代の隣人・お向かいさんと「そろそろほんとにお茶しよう」という話になり、お茶会を開催したそうです。

米田さん:「お茶会で“実はこんなことやってみたい…”と話してみたんです。すると、やってみたかったことの実現がぐっと近づきました」

 

 

公民館で「おしゃべり会」を開催、ニーズを聞いて次につなげる

見学やお茶会で得た情報を検討する中で、ヒートショックや新型コロナウイルスの話について「冬の健康」と題し、話題提供として看護師である米田さんが話し、みんなのニーズを聞く「おしゃべり会」を開催することになりました。
会場は、鶴見区社協の方が間をつないでくださり、公民館を使わせてもらえることになったそうです。
米田さんと一緒に取り組んだメンバーや鶴見区社協職員、町会長、近所の方々の協力により開催したイベントには、10人以上が来場しました。交流の場を持つことで、病院受診の送迎や困った時の助けが欲しいなどのニーズを聞くことができたそうです。

 

米田さん:「今後は、空き店舗を活動拠点としてコミュニティサロンを開きたいと思っています。カフェやガレージセール、図書リサイクル、まちの保健室、ワークショップ教室、困りごと支援、有償ボランティアの作業所、おばんざい事業など、やりたいことがさらに具体的に見えてきました。大阪ええまちアカデミーを通してチームに支えられて活動することができました。このつながりを大切に、活動に取り組んでいきます」

 

米田さんの発表資料はこちらからご確認ください。

 

報告4:シニアと学生をつなぐ助け合いの仕掛けを作りたい
コミュニティ”結(ゆい)LABO” 茨木市・三嶌(みしま)さん

茨木市では、便利な市の中心部へシニア層が増えています。「その世代が孤立してしまっているのでは…?」と三嶌さんは心配していました。また、同市の中心部には大学がいくつかあるものの、コロナ禍もあり学生の地域との接点が少ないこと、公共施設の活用促進が必要なのでは、ということも心に引っかかっていたそうです。

最初の一歩:SNSで学生にアプローチ、地域の学生団体や活動とつながり、調査実施

当初はSNSで学生へのアプローチや地域の学生団体・活動事例をリサーチし、学生・シニアにヒアリング・アンケートをしようと考えていた三嶌さんたちでしたが、SNSをやっても、チラシを打っても、地域では無名なこともあり反応がいま一つでした。
そこで、三嶌さんは「自分から関係をつくらねば」と学生主体の認知症カフェなど、他の団体が主催するイベントに出向いて関係性を作っていくことにしました。

三嶌さん:「相手に心の準備がない時は反応が薄いものですが、他団体のイベントに来場者として参加してみると、相手から積極的に話しかけてくれて関係を構築しやすかったです。」

 

 

イベントに参加して知り合った学生やシニアの人たちに、ニーズ・シーズ調査を実施し、ニーズとシーズがマッチングするような組み合わせを考えて、その人たちがやりたいこと、ここでしかできないこと、ハブとなる人がいないかなどを考えながらイベントを企画していきました。

学生のやりたいことを中心に据え「投げて、笑って、イバラボの湯」を開催

検討が進む中で、近隣の大学教授とのつながりも生まれ、「実践メンバーがやってみたいこと」ではなく、「学生がやってみたいこと」を進めようと軌道修正したそうです。
三嶌さんたちはコミュニティを作り育てるための仕掛けを作り、結果的に多世代が交流している状態を目指していくことを趣旨として、イベントを企画・開催に向けて大学生の企画を社会人がサポートするという形を取りました。

 

市役所横のオープンスペースIBALAB@広場を借りて開催した「投げて、笑って、イバラボの湯」は足湯カフェ・手作りボッチャ・簡単ゲームコーナーを通して、多世代がゲームやスポーツで自然につながっていくイベントになり、50組・100人以上が参加したそうです。

三嶌さん:「賛同者がいて、人とのつながりの連鎖でここまでのイベントになりました。イベントがひと段落した今、さまざまなゼミ、学生団体、学生応援プロジェクトとの出会いのなかで、それらの団体との違いや、継続性について検討する必要性も感じています。ここまで協力してくれた社会人、大学生の実践メンバーの皆さんに感謝しています。」

 

三嶌さんの発表資料はこちらからご確認ください。

 

アドバイス:“パーソンtoパーソンでつながるとの重要性

後半2つの発表についても、長年のつながりから/出会ったばかりのつながりから活動が前に進んだことや、地域の多様な拠点をうまく活用したことへの感心の言葉とともに、ナビゲーターとアドバイザーのお二人からいくつかのポイントを紹介いただきました。

 

チラシやSNSだけでなく、実際に足を運ぶことが大切。団体に話を聞くのもオススメ

広石さん:既存のコミュニティとつながる際に、「チラシやSNSで発信したら人が集まるのでは」と思いがちですが、有名人ならともかく、そうでないなら関係性を作るためには自分から相手のほうに足を運ぶのがポイントですね。


宝楽さん:SNSWebなどのメディアを使うのもよいですが、自分たちの地域で似た課題意識を持っている人たちはどんな活動をしているのか、実際見に行くのが大事ですね。また各地にある社協さんのように、すでにその地域をサポートしている人たちと話をするのは、鳥の目のように俯瞰したお話も聞けるのでおすすめです。

 

組織としてではなく、“パーソンtoパーソンでつながることが信頼関係を築いていく 

広石さん:学生とつながりたい時には、ボランティアセンターのような組織もありますが、大学などの先生に「こんなまちづくりをしたい」と相談すると、興味のある学生さんを紹介してくれるかもしれませんね。つい「大きな組織とつながらないといけない」と考えがちですが、町会・役所・社協といったくくりではなく、そのなかの実際の担当者と実際につながる“パーソンtoパーソン”の関係が地域活動ではとても大切です。


宝楽さん:地域で無名の個人が、一人の人間として他人に信頼してもらって、人前で話をさせてもらえるまでになるというのは、パーソンtoパーソンの顔の見える関係で信頼関係をつくっていった結果、いろんな協力者ができて信頼度が高まってのことですよね。地域活動を小さく始めよう、最初のステップを等身大にしようというのは、そのためです。

 

何者でもなくても、自己開示が大切。地域の講座も活用し、先輩団体と話をしよう

広石さん:既存の地域団体や個人を相手に、ついいろいろ聞いてしまいがちなんですが、まずは自分が何者なのかを開示することも大事ですね。自分のこと全然言わない人から連絡が来ても、相手も困ります。会社を退職して肩書が何もないなら「NEXT STEP模索中」という名刺を作るとかでもいいので、自分を開くこと。そのうえで、知りたいという気持ちを伝えれば、まちづくりなどの活動している人はしゃべりたい人が多いので、たくさん話してくれると思います。そのとき、謎の個人ではなく「大阪ええまちプロジェクト」や、地域の市民大学などに参加していれば、話が通りやすい。地域の講座とかをそんなふうに使っていただけるとよいですね。


宝楽さん:最初は相手団体のイベントに行って、挨拶や名刺交換をして、その次お時間いただけますかという流れはよいですね。何かやりたい人は「自分のやりたいこと」(=WILL)が前面に出てしまいがちです。人の話を聞くことにより整理がされていって、そのなかで「自分ができること」(=CAN)の部分が見えて来て、次第に「社会・地域・コミュニティなどに求められること」(=MUST)が見えてくる。このプロセスを踏むことで、大阪ええまちアカデミーが大事にしている地域での最初の第一歩を踏み出すときのバランスをとっていけると思いますよ。

 

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4つのプロジェクトの取り組みを通して、今回も大事なポイントをわかりやすくまとめてくださった広石さんと宝楽さん。

 “ええまち”とは、どこか一つの巨大な団体があればいいわけではないということ、小さくでもまずははじめること、つながった人たちとお互いにリスペクトし合って大切にし合うことことの大切さを、様々な切り口から教えてくださいました。

 

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