見て知ろう となりのええまち

地域の特徴を活かし、いきいきと住民主体で助け合える地域づくり

2022年2月24日

阪南市

地域の現状と課題

地域住民の持つ力を引き出し強める働きかけ
阪南市は、平成3年に市政を施行した大阪府の中で一番新しい市です。生活支援コーディネーターの配置にあたって、平成28年に要支援認定者のニーズ意向調査と事業所等の新たなサービス実施意識調査を行いました。その結果から、サービスAは実施せずに、現行相当サービスと住民が主体となった支援型(サービスB)を実施することになり、平成29年度に住民が主体となった訪問型・通所型活動の制度を導入しました。

阪南市では、地域の住民さんの持っている力を引き出して後押しする働きかけを、行政・社協が連携して行うことに力を注いでいます。令和3年12月時点で、住民が主体となった訪問型の活動(サービスB)が4カ所、通所型の活動(サービスB)が2カ所活動しており、住民が主体となった支援活動が広がりつつある一方で、活動の広がり方には地域差があることや、活動自体がまだ知られていないという周知面の課題があります。

2020年10月実施行政職員向け研修発表資料より

地域づくりを通じて目指す姿

地域の色合いを育み、元気に安心して住み続けられるまちにする
阪南市では、小地域ネットワーク事業と生活支援体制整備事業、地域力強化推進事業を、地域の基礎と捉えて、社会福祉協議会が担っています。そのうえで、介護予防日常生活支援総合事業、住民主体型サービスは、住民による活動によって地域の色合いを出しながら育ててもらい、第1層、第2層の生活支援コーディネーター及び行政が支援している構造です。

令和2年からは新型コロナウイルス感染症の及ぼす暮らしへの影響もあり、地域の課題も複雑化し生活の困りごとを受ける機会が増えています。その中で、よりいっそう地域の困りごとを地域の中で解決できるように、生活支援コーディネーター・社協・行政と連携して重層的に支援をしていきたいと考えています。

 

地域づくりを支えるコーディネーターたち

全国的にも珍しい第3層生活支援コーディネーターを地域に
第1層生活支援コーディネーターは社協に1名配置し、市全域からの相談の対応を受けています(相談件数:246件/令和2年度)。 第2層は2名配置しており、コミュニティワーカー(共生の地域づくり推進員)を兼任し、具体的な地域の中での、活動の相談や話し合いに参加しています。(相談件数:294件/令和2年度)

また、全国的にも珍しい第3層生活支援コーディネーター(124名/令和3年12月現在)を配置しています。第3層コーディネーターは、第1層・第2層生活支援コーディネーターと共に地域のつながり、地域づくりを行うパートナーです。

年に2回、介護保険制度や阪南市の地域づくり課題について学ぶ「第3層生活支援コーディネーター養成研修」を実施し、総合事業をしたいと考える団体の関係者や高齢者の介護や活動に興味のある人に参加してもらっています。(参加者数:28名/令和3年度) 研修修了者の約半数はすでに地域団体などで活動をされている方々なので、住民との接点が多く、お住まいの地域の様々なニーズに対応したり、地域包括支援センター等とも連携しながら地域の大切な調整役を担っています。

 

生活支援コーディネーターによる重点的な取組

[1]阪南市の鉄の掟「住民の主体形成」

阪南市の地域福祉推進計画は、高齢者や障がい者など当事者やコミュニティソーシャルワーカー(CSW)などを巻き込みながら作ってきました。住民の「やりたい」を見えるように整えて住民主体で地域づくりをできるように伴走しています。その際に専門職は、住民の主体性を損なうような「一方的な提案」や「否定」をしないことも大切にしています。多様な主体が話し合う場に出向き、住民が検討する中で出てきたアイデアに寄り添い、様々な情報やヒントを提供しながら、地域づくりを進めています。

[2]行政と社会福祉協議会の連携

2か月に一回、社協・市地域福祉担当課・市高齢担当課の3者で協議の場を設けています。そこではお互いの業務の気づきや方向性、新たな資源作りについて検討し、縦割りにならないような支援について考えています。また、阪南市では「行政担当者の専門職採用とローテーション人事」といった特徴があります。阪南市は一般採用職と専門職があり、福祉の専門職は社会福祉士、精神保健福祉士、保健師といった資格を持つ人を採用、福祉や健康関連の部署に配属され、その後も関連部署間での異動が多いため、後任者が新しい仕事で培っていくネットワークに対しても情報の共有をしやすい環境があります。また、地域包括支援センターやCSWも巻き込み活動しています。

[3]「テーマ別」の協議体会議

第1層生活支援コーディネーターが協議体会議を実施しています。当初(平成28年)のアンケート調査を踏まえて3つの部会を作っています。①「市民への啓発チーム」、②専門職中心のメンバーで実施する「研修チーム」、③移動支援の実施を検討する「移動外出支援チーム」です。CSW・社協・地域包括といった関係者や、各専門職とも連携しながら運営しています。

また、阪南市では、身近なエリアでの既存の各地域団体の話し合いの場を第2層として位置づけています。団体には、総合事業の住民主体型サービス補助金を使った団体、補助金は使わずに自主的に活動している団体や、多世代・地域共生の視点を持った活動団体といったように多様にあります。こういうことを全部包含させて多世代地域づくりを進めていこうとしています。

2021年3月「住民主体の地域づくりを推進するための行政・生活支援コーディネーターの連携」記事より

 

阪南市による支援施策

本市では、地域づくりを推進するため、以下の施策を導入しています。

[1]住民主体型サービス補助金

訪問型サービスB補助金
・報償費(約38万~191万/年、活動日数により異なる)
・備品購入費(5万円/年)
・事業立ち上げ費(10万円/年、初年度のみ)

通所型サービスB補助金
・報償費(約28万~86万円/年、活動日数により異なる)
・賃借料(60万円/年、要件あり)
・事業立上げ費(85万円/年、初年度のみ)

※いずれも「阪南市第3層生活支援コーディネーター養成研修」を受講したコーディネーターを1名以上配置すること を要件としています
詳しくはこちら

[2]阪南ほっこりプロジェクト(共生の地域づくり推進事業)

地域のみなさんや専門職・行政など、みんなが地域の課題を「我が事」としてとらえ、みんなで解決していく地域づくりや、行政が縦割りをなくし、住民と協働して「丸ごと」受け止め解決する体制づくりに取り組みます。
詳しくはこちら

[3]小地域ネットワーク活動推進事業

地域住民みんなで支え合う福祉のまちづくり活動を進めるため、阪南市からの補助金を受け、コミュニティワーカー(地域担当職員)を配置するとともに、校区(地区)福祉委員会を中心に住民同士の支え合い活動を展開しています。

[4]くらしの安心ダイヤル事業

災害時に支援が必要な方の氏名・住所などの個人情報を市に登録いただき、その登録情報を自治会や自主防災組織、民生委員児童委員協議会、校区福祉委員会、CSWなどの地域の関係団体・機関(地域支援者)に提供することで、情報共有・連携を図り、地域の中での日常からの見守り・声かけ活動や災害時の安否確認等を行う制度を実施しています。

[5]市民活動センター

阪南市内で活動されている方がいきいきと活動できるように場所や情報、交流や学習の機会を提供し中間支援組織として市民活動の活性化を促進しています。

 

DATA

総人口 52,795人
65歳以上人口 17,481人
高齢化率 33.1%
要介護認定率 20.4%
通所型サービスB 2団体
訪問型サービスB 5団体
移動支援の状況 訪問B+福祉有償運送 1団体 訪問B+無償運送1団体

 

参考情報

行政職員研修 阪南市 事例紹介

阪南市の行政・社協担当者が語る「住民主体」を形成するプロセスと体制とは

 

 

地域づくりの輪を広げるために

阪南市社会福祉協議会ブログ

https://www.hannanshi-shakyo.jp/blog/

阪南TV(YouTube)

https://www.city.hannan.lg.jp/kakuka/mirai/promotion/baitai/hannanTV/index.html

農福連携・漁福連携

農と福祉のまちづくりとして、社協に寄贈して頂いた土地を、地域のボランティアの方々や少年院生(泉南学寮グリーンサポーター)、社協の職員で整地。
道具の保管や休憩場所として利用できるように小屋も手作りで作成し、建設会社の方から肥料の寄付を頂き準備完了。どなたでも参加できる新たな「つながりの場」「共生の居場所」として、2020年秋からふれあい福祉農園 活動が始まりました。広い敷地でできたたくさんの収穫物は子ども食堂や生活にお困りの方にも寄付しています。野菜を配布したお礼にと、外国籍の方がお手伝いしてくださり、国際交流のきっかけにも。
子どもたちの豊かな経験になればと農園には親子で参加される方も多く、「普段農作業に触れることがないので、貴重な体験」という声をたくさんいただきます。
※令和3年度の大阪府地域福祉振興助成金をいただき事業を進めています。

漁業と福祉のまちづくりでは、阪南の海や海産物を通じて、子どもや若者、高齢者などが気軽にふれあえる居場所づくり や 社会とのつながりが弱い人、生活にお困りの方への就労支援を進めています。
牡蠣割り体験などで就労支援、ボランティア、イベントなど参加の入り口を多くつくり、多様な「参加支援」をめざしています。

農福連携
https://www.hannanshi-shakyo.jp/community_activities/social_firms/

漁福連携
https://www.hannanshi-shakyo.jp/community_activities/social_fishing/

コロナとうまく付き合う地域福祉活動の手引き

互いのくらしを支えあうには、地域での活動を共に進めていくためのガイドライン「コロナとうまく付き合うための 地域ふくし活動て・び・き」を活用していただいています。

https://www.hannanshi-shakyo.jp/slug_volunteercenter/5816/

連絡先
連絡先

担当部署名:阪南市介護保険課・阪南市社会福祉協議会
電話:072-471-5678 / 072-472-3333
メール:kaigo@city.hannan.lg.jp / h-shakyo@sb3.so-net.ne.jp

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