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ええまちづくりのええ話

大阪府内の地域団体の活動事例や、行政職員や生活支援コーディネーターの研修の発表も広く掲載。
団体の活動の参考にしたり、市町村の仕組みづくりに役立つ記事がたくさんです。

自分がやらなきゃ!プロボノワーカーからコミュニティスペースの担い手へ転身!(プロボノワーカーインタビュー)

2018年7月30日

「自身の勉強になるから」との思いでプロボノワーカーとして参加された金山佳子(かなやまかこ)さん。

驚くべきは、「学びながら実践する」ハイブリッドさ。プロジェクトに参加しながら同時期にご自宅を改装してコミュニティスペース「NPO法人ここから100」を立ち上げられたのです。(2018年5月7日大阪市のNPO法人として登録済)

ですが、決して突然の思い付きではなく、以前からご家族との関わりの中で感じていた思いや地域とのつながりに対する問題意識があったからこそ。

「今やらなきゃ!」と奮い立たせた思いと、「周りの応援もあるから!」と不安になり過ぎずに済んだ経緯など、プロボノワーカーとして参加し、強く感じたことについてお話をお聞きしました。

 

課題発見! 自分の置かれた状況こそ「社会の縮図」

直近は一般企業で正社員として働いており、ここ数年は、義理の父母の介護と実父の健康問題が重なった時期でした。

実父は、自分自身の身体も健康でない中でも、町会に熱心に関わり「自分たちの住む地域にはコンビニもなく不便で、高齢者が行くところもないから、そういう場がどこかにないと」と思いを募らせているのを聞き、自分にも何かできることはないかな、と考えていました。

プロボノはそういうNPOを支える、というのでちょっと知ってみたいな、と思い、ワーカーとして参加したのがきっかけです。

以前読んだ本の中で取り上げられていたヨーロッパの高齢化の話に気づかされ、ふと自分の周りを見渡してみると…近所の方が認知症、その配偶者が病気になっても近所に親族がいないなど、随分大変な状況で「今まさに自分の見ている現状は、社会の縮図だな」と改めて感じ、さらに強く「これは何とかしないと!」と思いました。

この状況について、行政はどういうことをしているのかしら?と知るために、プロジェクトの中でも「茨木シニアカレッジ」に参加しました。

 

自分の経験を超える提案が、できた!

プロジェクトは課題発見案件で、私はマーケッターとして、インタビューと資料からの情報抽出などを中心にしました。

シニアカレッジの受講者ご自身がどういう思いで参加しているのか、本音を抽出するインタビューを経て、運営側に現状を客観的に見てもらえるようにしたのと、他の自治体から資料を取り寄せ、「高齢者自身による仕組みづくり」がすでにできている事例を集め、内容を精査しました。

「茨木シニアカレッジ」の講義内容は、近くに住む大学関係者が講師を務めているなど、良質で満足度も高く講座の内容も変更する必要がないかな、と思われていたんですが、実は大きな問題点があったことが分かりました。

行政からすると「介護保険を使わなくてすむように元気に暮らし続ける<仕組み>を、<シニアカレッジの参加者>で作ってほしい」というのが真の思いで、参加者の「自分たちが楽しかったらいい」というスタンスとは、ギャップがあったのです。

これを埋めるために何をするか、という事業提案につながりました。

プロジェクトがスタートするキックオフのときから、チームのみなさんの力量に驚いていました。

プロジェクトは「茨木シニアカレッジ」の関与者が多くとても難しかったんですが、リーダーが企業での経験から事業提案ができる方で資料もすごかったんです。

そういう人たちと一緒に進めていると、自分はマーケッターとして登録したものの資料作りもそんなに上手でないと思っていたので、プロジェクトの中でやり方も学べました。

 

自身の立ち上げたNPOにもつながる関係づくり

プロボノを通じて、普通に会社員だけをしているときには気づかなかった社会課題に対して、目の前の人を幸せにするということが、ちょっと手を差し伸べれば目に見えないハッピーが広がる、ということに気づかされました。

プロボノをやり始めてから気持ちに火がついて、会社も辞めて自宅もリフォームして…と早速に自分で「NPO法人ここから100」を立ち上げました。

その案内チラシも、プロジェクトでコピーライターだった方からアドバイスをいただいて作り、今の活動にもつながっています。

オープンしてからも、プロジェクト後にドイツへ転勤したチームメンバーがビザの切り替えのタイミング帰国した際に訪ねてくださるなど、交流は続いています。

一人でやるより、助け合えればずっといい

プロボノで自分に何ができるかという立ち位置よりも、組織の中にいては分からないことを外から整理する、というのが支援先さんにとっても、よいのかもと思います。

プロジェクトにかかわるメンバーも、適当に組まれているのではなく、ゴールまでたどり着くためにスキルのバランスを見たり、初めての人には長く続けてきた人と組まれていたりします。

「一人で何ができるか?」と考えるより、プロボノに参加することの方が足らないところを助け合えてよかったです。

ぜひ!やってみる価値はあると思います。やってみないとわからない、ですね。

 

金山さんが関わった茨木シニアカレッジのプロジェクトの様子はこちら

 

 

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